latexファイルのwordファイルへの変換
はじめに
僕は、論文を始めとする文書の作成はほとんどLaTeXで行っています*1。 しかし、英文校正をはじめとしwordファイルとして提出しなければならないことがたまにあります。 .texを.docxに変換する方法はいくつかありますが、いろいろ思考錯誤し、現状ではpandocを用いる方法に落ち着いています。
pandocとは
pandocは、いろいろなファイル形式間の変換をコマンドラインベースで行うものです。 pandocの公式サイトはこちらです。 公式サイトを見ますと、いろいろなファイル形式に対応していることがわかります。
インストールはMacの場合は、homebrewで行う方法が簡単だと思います*2。
brew install pandoc
pandocによる.texから.docxへの変換
pandoc hogehoge.tex -o hogehoge.docx
上記コマンドで、簡単にlatexファイルをwordファイルに変換できますが、引用文献がきちんと表示されません。
そこで、まず引用文献のスタイルファイルであるcslファイルを準備します*3。 自分でcslファイルを作ることも可能だとは思いますが、文献管理ソフトウェアzoteroのレポジトリからjournalを検索してダウンロードする方法が簡単です。 ちなみに僕は、Applied Mathematics Lettersのスタイルをよく使っています。
cslファイルを作業ディレクトリか、ホームディレクトリに保存したうえで、次のコマンドを実行することで引用文献リストも変換されます。
pandoc --bibliography mybibfile.bib --citeproc --csl applied-mathematics-letters.csl hogehoge.tex -o hogehoge.docx
wordファイルテンプレートreference.docxを事前に作成して、次のコマンドを実行することで、より細かいレイアウトを実現できまるようです。 僕はそこまではやっていません。
pandoc --bibliography mybibfile.bib --citeproc --csl applied-mathematics-letters.cs -t docx --reference-docx=reference.docx hogehoge.tex -o hogehoge.docx
この方法でおおむね僕の需要は満たしているのですが、唯一、数式の参照がうまくいっていません。 wordファイル上で数式の参照は、latexの参照キーがそのまま表示されてしまいます。 参照元の数式のナンバリングがpandocでは実現できないので、この点ができるようになれば、完璧です。